母の死と初めての坐禅
喜びのカピラ城に突然、不幸が襲います。
母である摩耶夫人が王子誕生の七日目に亡くなってしまったのです。
これ以後、王子は摩耶夫人の妹に養育されることになりました。
王は、王子に自分の跡を継がせるべく文武両道にわたる帝王学を徹底的に学ばせます。
王子はたくましい少年に育っていきました。
シッダルタと名づけられた王子は世継ぎとしての期待を一身に背負い、学問・武術を学び、何不自由のない生活をおくって成長していきます。
王子十二歳の春を迎えたある日のことです。
カピラ城外の農地で神に五穀(ごこく)豊穣(ほうじょう)を祈る祭典が行われ、王子も参列しました。
白牛が犁(すき)を引いて田を耕していくと、土の中から小さな虫たちが掘り出されます。
そこへ、どこからともなく一羽の小鳥が飛んできて、その小さな虫をくわえて飛び去ります。
しかしそのとき、もう一羽の猛禽(もうきん)(ワシ・タカの類)がものすごい速さで急降下してきて、その小鳥をつかみとって、どこかへ飛び去っていったのです。
弱肉強食は自然の法則ですが。それは美しい理想とはほど遠い現実なのです。
現実だからといって肯定してはならないのです。
猛禽に襲われる小鳥・・・王子はこの光景を見て、この世はありのままに見れば「地獄」にほかならない、と考えました。
そして、大樹の下で初めての坐禅をするのでした。
このあと、王子は伝説上の奇跡を起こしました。
太陽は西へ移動していきます。
当然、樹の影も移動しなければなりません。
しかし、影は動きませんでした。
時間が止まっていたのです。
そのようすを目撃した人びとは奇跡と驚いたのでした。
この世の苦しみを知り進むべき道を決める
暑季、寒季、雨季それぞれの季節をすごすにふさわしい三つの宮殿が父王から与えられ、物質的には何一つ不自由のない生活をおくっていた王子に、“出家”(僧の生活に入ること)を決意する重要なできごとが起こります。
大きくなるにしたがって孤独のなかに身を置くようになっていく王子に、父王である浄飯王が、気晴らしのため春の野に出ることをすすめたのです。
〒 288-0074 千葉県銚子市橋本町1969-1銚子駅より橋本町一丁目バス停下車0分銚子電鉄本銚子駅下車5分
TEL 0479-22-0179 FAX 0479-22-0187
母の死と初めての坐禅
喜びのカピラ城に突然、不幸が襲います。
母である摩耶夫人が王子誕生の七日目に亡くなってしまったのです。
これ以後、王子は摩耶夫人の妹に養育されることになりました。
王は、王子に自分の跡を継がせるべく文武両道にわたる帝王学を徹底的に学ばせます。
王子はたくましい少年に育っていきました。
シッダルタと名づけられた王子は世継ぎとしての期待を一身に背負い、学問・武術を学び、何不自由のない生活をおくって成長していきます。
王子十二歳の春を迎えたある日のことです。
カピラ城外の農地で神に五穀(ごこく)豊穣(ほうじょう)を祈る祭典が行われ、王子も参列しました。
白牛が犁(すき)を引いて田を耕していくと、土の中から小さな虫たちが掘り出されます。
そこへ、どこからともなく一羽の小鳥が飛んできて、その小さな虫をくわえて飛び去ります。
しかしそのとき、もう一羽の猛禽(もうきん)(ワシ・タカの類)がものすごい速さで急降下してきて、その小鳥をつかみとって、どこかへ飛び去っていったのです。
弱肉強食は自然の法則ですが。それは美しい理想とはほど遠い現実なのです。
現実だからといって肯定してはならないのです。
猛禽に襲われる小鳥・・・王子はこの光景を見て、この世はありのままに見れば「地獄」にほかならない、と考えました。
そして、大樹の下で初めての坐禅をするのでした。
このあと、王子は伝説上の奇跡を起こしました。
太陽は西へ移動していきます。
当然、樹の影も移動しなければなりません。
しかし、影は動きませんでした。
時間が止まっていたのです。
そのようすを目撃した人びとは奇跡と驚いたのでした。
この世の苦しみを知り進むべき道を決める
暑季、寒季、雨季それぞれの季節をすごすにふさわしい三つの宮殿が父王から与えられ、物質的には何一つ不自由のない生活をおくっていた王子に、“出家”(僧の生活に入ること)を決意する重要なできごとが起こります。
大きくなるにしたがって孤独のなかに身を置くようになっていく王子に、父王である浄飯王が、気晴らしのため春の野に出ることをすすめたのです。