千葉県銚子市　㈲杉浦（杉浦造花店） 葬儀：葬祭：花輪：霊柩運送事業：仏壇・仏具販売

• 深い禅定

王子は尼連禅河(にれんぜんが)という川に入り、長年にわたる修行の汚れを洗い落としました。

しかし、岸辺に上がろうとしたとき、足をすべらせて流れに落ちてしまします。

一命を落とすところでしたが、なんとか助かり川の岸辺で休んでいると、一人の村娘がやってきます。

村長の娘で、名をスジャーターというその娘は、乳粥(ちちがゆ)を献じて言いました。

「修行の人、たいへんお疲れのごようす、どうぞこれをお召しあがりください」

この供養は何日間もつづきました。

おかげで王子はしだいに体力を回復し、再び真理を求め修行する心の準備を整えていったのです。

こうして王子はガヤーの町の郊外、“ブッダガヤー”の丘に登り、霊樹といわれる菩提樹の大木の下に草を敷いて腰を下ろし、坐禅を組んだのです。

そして、「われは真理（悟り）を得るまで、この座を立たない」との決意を固めて瞑想に入りました。

はるかな過去から現在に至る人間の歴史、人間のあり方、自分のあり方、そして、この地に生きる生命・・・それからさまざまなものを想起します。

瞑想している王子を大勢の美女たちが誘惑します。

悪魔が現われ強迫します。

すさまじい嵐が襲います。

しかし、欲望・嫌悪(けんお)・愛執・恐怖・疑い・みせかけ、このような人間の心にある“迷い”消えたのち、ブッダガヤーの菩提樹の下で、王子は真理に目ざめ、「仏陀」（悟れる者）となったのでした。

王子が坐禅を始めて八日目、十二月八日の朝、あけの明星が王子に一筋の光を投げかけたその一瞬だったといいます。