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2021年08月01日(日)

釈迦 祇園精舎への道

在家信者

釈尊が説法すると多くの人びとが救われていきました。

ある日、釈尊はヤサという一人の青年に会います。

ヤサは豪商の息子でした。

出家どころかなんの修行もしていない在家の初心者に対する初めての説法でしたが、釈尊は教えを諄々(じゅんじゅん)と説きます。

聡明なヤサは、釈尊の教えを素直に吸収して帰依(きえ)することになりました。

仏教教団の拡大

このようにして在家信者が増えていったことは仏教教団の発展にとって大きな意味をもつものでした。

というのも、“在家”」のまま釈尊に帰依するということは、教団の出家者たちの生活を財政的に支えるのに有利だったからです。

釈尊を中心とする仏教教団は、こうして修行者や信徒を増やして拡大していきましたが、まだ拠点とする場所がありませんでした。

そこで以前、出家してまだ間もないころに釈尊に心酔した、マガダ国のビンサーラ王が土地を提供してくれることになりました。

首都・王舎城郊外の竹林を寄進してくれたのです。

そこで、そこは“竹林精舎(ちくりんしょうじゃ)”と呼ばれるようになりました。

 

◎祇園精舎へ

“竹林精舎”のあるマガダ国と並ぶ強国にコーサラ国がありました。

その首都“舎衛城(しゃえじょう)”にスダッタ(“給孤独長者(ぎつこどくちょうじゃ)”とも呼ばれる)豪商がいました。

彼はどうにかして釈尊にコーサラ国にも布教に来てもらおうと考えていました。

そのためには、釈尊とその弟子が宿泊し修行できる精舎が必要です。

そこで、スダッタはコーサラ国の祇陀太子(ぎだたいし)の竹園に目を付けました。

ところが、太子から「黄金を敷きつめれば別だが絶対にこの土地は手離さない」と拒否されます。

すると、スダッタは、太子の言葉を逆手にっとってほんとうに黄金を敷きはじめたのです。

驚いた太子は、スダッタから詳しい事情を聞き、ようやく納得して、その土地を自らも半分釈尊に寄進してしまうのです。

これが有名な、“祇樹給孤独園精舎(ぎじゅぎつこどくおんしょうじゃ)”(祇陀太子の樹林に給孤独長者が建立した精舎の意味)で、その略した呼び名が「祇園精舎」なのです。

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