仏教寺院では、境内に五重の塔を建立いたします。
仏教の開祖であるお釈迦さまが亡くなられた時、その遺体は荼毘(火葬)に付され、その遺骨(仏舎利といいます)は8つに分骨されて、その当時のインドの8つの主な部族に渡されました。
そうして、8つの部族はそれぞれに頂いた仏舎利を、塔を建ててその中に安置してお祀りいたしました。
この塔のことを、古代インドの言葉である梵語(サンスクリット語)で、「ストゥーパ」といいます。このストゥーパが五重塔の起源です。
五重の塔はなぜ五重かといいますと、その5つは、この世を形づくる五つの基礎となるものを表しているのです。
その五つとは、「地」、「水」、「火」、「風」、「空」です。
これを「五大」と呼びます。
今日、仏教徒がお寺での法要などで表に故人の戒名などを書いて仏前に立てる板を「卒塔婆(そとば)」といいますが、この語源も、梵語の「ストゥーパ」です。
その卒塔婆の頭には、「地」、「水」、「火」、「風」、「空」を表す形が刻みこまれています。
卒塔婆を立てるということは、五重の塔を建てることと同じ意味があります。
「地」、「水」、「火」、「風」、「空」を表すそれぞれの形は、
「地」は方形、「水」は円、「火」は三角形、「風」は月、「空」は宝珠です。
*左上の図形をクリックして下さい。五重塔が見られます。
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